認知症の症状には、数分前の出来事を忘れる、同じことを繰り返して言う、道に迷う、イライラしやすいなどがあります。認知症は脳の病気や障害が原因で認知機能が低下し、日常生活全般に支障をきたす状態です。老化による単なる記憶力の低下とは異なり、認知症は物事全体を忘れてしまうことが特徴です。仕事や家事でミスが増える、慣れた道で迷う、数分前のことを覚えていない、気力がなくなる、感情が不安定になるなど、物忘れ以外の症状が目立つこともあります。患者さん自身は自覚がないことが多いため、家族が異変に気づいた際には、早めに受診や相談をしてください。

認知症の正確な診断には、病歴や症状の確認に加えて、頭部CTやMRIなどの画像検査が必要です。診断のためには、近隣の医療機関での画像検査を当院からご紹介することも可能です。認知症の種類によって治療法が異なるため、正確な診断が重要です。

アルツハイマー型認知症

物忘れが主な症状です。

前頭側頭型認知症

認知機能の低下に加え、性格変化や情緒不安定が目立ちます。

レビー小体型認知症

認知機能の低下に加え、幻視やパーキンソニズム（震えや動きが鈍くなる症状）が見られます。

血管性認知症

脳出血や脳梗塞の後に認知症が発症することがあります。